ナスカ社会は互いに地理的に隔たった場所にある、複数の首長制社会の集まりで、それぞれの社会は政治と宗教の両面で権力を握る個人に率いられていました。彼らは一夫多妻制度のもと、血縁関係にある家族が集まって「アイユ」と呼ばれる集団を形成し、比較的小さな集落に暮らしていました。彩色豊かな衣服をまとい、耳飾りやペンダントを身につけ、刺青を施すなどのおしゃれを楽しんでいました。人々の職業は農民、漁師、猟師、戦士などがほとんどで、職種はあまり多くありませ
んでした。
また、彼らの寿命は40 歳位で、埋葬のさいは死者に服を着せて座った姿勢で織物にくるみ、食物を入れた土器などを副葬しました。まれに黄金やスポンデュルス貝など貴重品が副葬されることもありました。
ここでは、様々な男女の像と衣服を紹介します。 |
耳飾りとドレス・ピンを付け、
鳥を抱く女性
ペルー文化庁・ペルー国立考古学人類学歴史学博物館
撮影 義井豊 |