インカ帝国滅亡から遡ること約500年前、ペルー北海岸・バタングランデ。
かつてここに「黄金国家の都」があったと考える一人の考古学者・島田泉(南イリノイ大学教授)は、
1978年からこの地の調査にあたり、これまでインカのものと考えられていた、
特徴的なつり上がった目の装飾を持つ金製品は、この地にルーツがあるという確信にいたる。
教授はその仮説を確かめるべく、1991年からロロ神殿東の墓の発掘を開始した。
そこからはこの地の支配者と考えられる男性と4名の遺体と共に、総量1.2tに及ぶ、
おびただしい黄金製品を中心とした副葬品が発見され、世界的な話題となった。
教授はこの文化を「シカン」(先住民の言葉で「月の神殿」の意味)と名付けた。
シカン文化は9世紀に興り、14世紀にチムーによって滅ぼされるまでこの地に栄えた。
シカン文化を担った人たちは、長大な水路を建設し、驚くべき彫金の技術も発展させた。
長期に渡る島田教授の発掘によって、この文化の姿が見えてきた。
しかし同時に新たな謎も生まれることになった。
30年間の発掘の結果得られた貴重な考古異物を中心に約200件のシカン文化の遺物を展示する。
更にTBSの20年に及ぶ独占取材映像と、ロロ神殿の全貌を再現したCGによる
「新感覚!3Dシアター」を用いて、シカン文化の興隆から滅亡にいたるプロセスを追う。 |