世界のすべては、元素でできている。
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ゾーン3 すべての元素
現在発見されている元素は118種類。放射性のため展示できない元素などを除いたすべての元素について、純粋な単体や原料となる鉱物をはじめとして、身近な製品や最先端のハイテク製品などを展示します。放射性元素はパネルでご紹介。水素(H)やヘリウム(He)、炭素(C)といった誰もが聞いたことのある元素をはじめとして、携帯電話に使われているイリジウムやエルビウム、蛍光灯に使われているユウロピウムといった日常生活で実際に使っているのにあまり耳にすることのない元素も展示します。元素と色との関わりなど来場者が楽しめるテーマ展示も満載。「見る」だけでなく、「触る」「聞く」など体感型の内容も盛り込んだゾーンです。

赤鉄鉱(鉄の鉱物) 超高純度シリコン単結晶 オスミウムの結晶
©結晶美術館
宝石の元素
宝石の多くは鉱物で、真珠のような生体物質もあります。また、人工合成された宝石も身近になってきました。一般に、宝石は硬く、変質することなく、優れた輝きを持ち、そして様々な色で私たちの目を楽しませてくれます。このような宝石の性質は、結晶中の化学結合、すなわち含まれる元素の種類と割合に大きく関わっています。ここでは、ダイヤモンド(炭素)や、ルビー(クロム添加酸化アルミニウム)、サファイア(鉄・チタン添加酸化アルミニウム)などの宝石を展示します。
光と元素
ヘリウムの放電管(中央)と
そのスペクトル
(回折格子フィルムを通して撮影)
光と元素は大きな関わりを持っています。ある元素の気体を放電させて出る光の色は、その元素に特徴的なものになります。どのような色の光を出しているかを調べると、その中に含まれる元素や、その元素の原子の周りを回っている電子の状態が分かります。ここでは、ヘリウムやネオンなどの放電管の出す光を観測してみます。
エネルギーと元素
電池は、コンピューターや携帯電話などの電子機器や、自動車のエネルギー源としての重要性が増しています。様々な元素の組み合わせで、高性能で大容量の電池が作られています。ここではマンガン電池など日常的な乾電池から、リチウム電池、燃料電池など進歩を続けている様々な電池を展示するほか、新しいエネルギー源として開発が進められている太陽電池を展示します。
元素体重計
私たちヒトも元素から出来ています。私たちの身体には実に20種以上もの元素が必須で、61%が酸素、23%が炭素、10%が水素、2.6%が窒素、1.4%がカルシウム、1.1%がリンで、残りは1%に満たない元素で出来ています。微量で必須な元素には鉄、亜鉛、銅、マグネシウムなど一般にミネラルと呼ばれている元素が含まれています。このような元素は体内で様々な働きを担っていて、一つでも元素がなくなると、病気になり死に至ることがあります。ヒトはこれら多くの元素のバランスを保って生きているのです。この体重計では、あなたの体の中にある主要な元素の重さを表示することができます。
食と元素
炭素、窒素、ナトリウムなどおなじみのものから、モリブデン、ヒ素、カドミウム、リンと「毒」と思われるようなものまで、私たちは様々な種類の元素を食べ物から摂取しています。半導体の材料として有能なヒ素はひじきに含まれます。リンはマッチ棒の発火材として使われる一方で、人間にとってはDNAをつくったりエネルギーを蓄えたりする元素で、フルーツ類や穀類に多く含まれ、加工食品、保存料にも使われています。ここでは、食べ物を通して私たちの体を作っている元素について学びます。
比べてみよういろいろな金属
金属でも、鉄、銅、アルミニウム、金、チタンなど、種類が違えば、性質も違います。色や重さ(密度)の違いだけではなく、硬さ、剛さ、延び、曲げ、電気の通り、熱の伝わり、など、様々な性質(物性)により、いろいろな製品に使われています。ここでは、金属の音や、手触りを知ることで、いろいろな金属元素について学びます。
元素の組み合わせ:合金
金属は鉄、銅、アルミニウムなどを主体とし、マンガンやコバルトなど様々な金属を添加して合金として使われています。合金は、求められる性質が最も良くでるように、元素の種類と割合を考えて作られています。ここでは様々な合金を展示します。
元素の組み合わせ:人造宝石と元素、ガラスと元素、陶磁器と元素
高価なダイヤモンドに対して様々な人造ダイヤモンド(模造品)が作られています。ジルコニウムの酸化物や鉛ガラスは、炭素100%のダイヤモンドとは全く異なる元素から成りますが、これらの高い屈折率は、ダイヤモンドに似た美しい輝きをもたらします。さらに微量成分として各種の元素を添加することにより、様々な色を出すこともできます。また、ガラスや陶磁器のきれいな色も元素が関わっています。本来は無色透明なガラスも鉄やクロムなどが入ると緑色になり、金や、セレンなどが入ると赤色になるなど、元素の加え方によって色が変わります。ここでは各種の色ガラスと柿右衛門様式の有田焼を例に、元素による色の違いをお見せします。
色と元素
物質の色は、原子の中の電子の動きと密接に関わっています。そして電子の動き方は元素に特有な面があるので、元素の種類と特有な色の間にも関連があります。同じ元素でも電子の状態で様々な色を見せますが、コバルトブルー、カーボンブラック、クロムイエローなど、それぞれの元素の代表的な化合物に特徴的な色があります。ここではクレヨンや絵具などの画材を展示して、元素の色について学びます。
レアメタルとレアアース(希土類)
レアメタルとは、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム等のベースメタル(卑金属)や金、銀などの貴金属以外の金属です。流通量・使用量は比較的少ないのですが、多くの産業で不可欠な金属で、資源としても希少です。ベースメタルが産業の主食ならば、レアメタルは「産業のビタミン」と例えられます。 また、レアアース(希土類)は、ハイテク製品に欠かせない素材の主成分です。自動車の駆動モーター磁石やLEDの蛍光体などに使われ、省エネルギーに大きく貢献していますが、資源確保の問題では大きな関心が寄せられています。ガス灯から蛍光灯、LEDと進化してきた照明の主役を演じるレアアースを紹介します。
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