本展は、モンゴル・ゴビ砂漠の実物恐竜化石を一堂に見ることができる、極めて貴重な機会となります。これほどの規模での公開は、モンゴル国内でもこれまで実施されたことはありませんでした。また、新種を提唱する基となる標本「ホロタイプ標本」が約10点展示される、国際的にも稀に見る展覧会です。
全長2m、推定年齢2~3才のタルボサウルスの子どもの実物化石やそれをもとに復元した全身骨格が展示されます。ティラノサウルス類の子どもの化石としては、世界一の保存状態だとされています。本展ではこの標本を研究することで、明らかになったティラノサウルス類の成長についての新しい知見を紹介します。
約7000万年前に生きた大型の肉食恐竜タルボサウルスと植物食恐竜サウロロフスの骨格を展示します。さらに当時最大の植物食恐竜オピストコエリカウディアも対峙。いずれも10m以上の大きさで、実物ならではの迫力、存在感を感じていただけます。
また、タルボサウルスがサウロロフスを食べていた証拠となる標本も展示されます。さらに、この時代にはより小型の恐竜も多様でした。これらの小型恐竜も含め、ゴビ砂漠における白亜紀末期の恐竜の多様性もご紹介します。
モンゴルの白亜紀後期の地層からは、様々な獣脚類が発見されています。一見すると鳥のように見える獣脚類がそれほど鳥類には近縁でなかったりすることなどが明らかになってきました。鳥類への進化を理解するために非常に重要な実物化石を展示します。
北アメリカにティラノサウルスがいたころ、アジアではこのタルボサウルスが君臨していました。頭だけで長さ1.2mにも達する最大級のタルボサウルスが、大型植物食恐竜たちと対峙して展示されます。
ティラノサウルス類全身骨格の全長:約2mタルボサウルスの2~3歳と推定される標本で、全身の70%が残っていた、ティラノサウルス類全体の中でも最も良い保存状態の子どもの化石です。おとなのタルボサウルスとの比較にもとづき、その成長を科学します。
小さくてもろい恐竜の赤ちゃんの骨が化石として保存されることはまれなのにも関わらず、この標本は、15体が一緒に発見されたものです。プロトケラトプスはたくさんの子どもを産んで、少しでも多くの子どもを生き残らせる子育て戦略をとっていたことが示唆されます。
1977年、ポーランドの研究者によって、尾椎の特徴から記載・命名された新属新種。ホロタイプ標本がすべて来日、展示されるのは初めて。ティタノサウルス類は白亜紀に繁栄しましたが、完全な骨格はほとんど知られておらず竜脚類のなかでも謎が多いグループです。オピストコエリカウディアは、ティタノサウルス類に特徴的な前あしや骨盤の形態がほぼ完全に保存されている重要な種です。