月には明るい所とややうす暗い所があります。そして、満月のとき、うす暗い所をつなげてみると、その模様が「うさぎ」の形に似ているようです。肉眼でみた月の暗い模様を「うさぎ」に見立てるのは、古く中国から日本に伝わったことですが、この他にも世界の各地でいろいろなものに見立てています。たとえば、うさぎの耳の所を、ろばの耳やかにのはさみとみて、ろばやかにに、また、明るい部分も加えて、女の人の横顔などとも見立てられています。
月のうす暗い模様は「海」とよばれ、「晴れの海」とか「雨の海」とかの名前がつけられていますが、本当に水がある海ではありません。月の海は黒い色の玄武岩とよばれる岩石でできていますので、暗くみえるのです。月のその他の部分は、斜長岩とよばれる白い岩石でできているので白っぽくみえるのです(月の高地といいます)。
月の海は平らな地形でクレーターは少なく、高地にはたくさんのクレーターや山脈が見られます。じつは、月の海は月が生まれたころにできた非常に大きなクレーターで、それを月の内部から吹きだした玄武岩の溶岩が満たして作った地形なのです。
「うさぎ」の模様は月が満ち欠けしても変わりませんが、これは月の自転周期と公転周期が等しく、常に同じ面を地球に向けているからです。
満月と月の模様
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