最終更新日: 2018年3月22日
トカラギャップで区切られる奄美以南の琉球列島(以下、琉球列島)は日本列島のなかでも維管束植物の種多様性が高い地域として知られています。この琉球列島の維管束植物相調査については、これまでに初島(1975)、Walker (1976)、初島・天野(1994)、島袋(1998)などによって行われてきましたが、その後、本格的な調査が行われていませんでした。
国立科学博物館では、琉球列島の植物を研究している館外研究者とともに、標本及び文献情報の調査を行い、島ごとの植物相(自生種)をまとめた琉球列島の維管束植物データベースを完成させました。このデータベースには、今回の調査で新たに判明した島レベルでの新産地情報に加え、近年の新種、新産地の発見、新分類見解などの情報を反映させています。なお、現在は種子植物のデータを公開していますが、今後シダ植物も追加する予定です。
琉球の植物研究グループ(Ryukyu Plant Research Group)メンバー(五十音順)
- 阿部篤志(沖縄美ら島財団)
- 海老原 淳(国立科学博物館植物研究部)
- 國府方吾郎(国立科学博物館植物研究部)
- 齊藤由紀子(琉球大学教育学部)
- 中村 剛(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター)
- 横田昌嗣(琉球大学理学部)
引用形式
- Ryukyu Plant Research Group, 2018 onward. Database of Ryukyu plants. National Museum of Nature and Science, Japan.
https://www.kahaku.go.jp/research/activities/project/hotspot_japan/ryukyus/db/ - 琉球の植物研究グループ, 2018 -.「琉球の植物」データベース. 国立科学博物館.
https://www.kahaku.go.jp/research/activities/project/hotspot_japan/ryukyus/db/
協力者(五十音順)
- 伊藤元己(東京大学)
- 勝山輝男(神奈川県立生命の星・地球博物館)
- 木場英久(桜美林大学)
- 末次健司(神戸大学)
- 堤 千絵(国立科学博物館)
分布の根拠となる標本について
- RYU(琉球大学理学部)、TNS(国立科学博物館)、URO(琉球大学教育学部)に収蔵されている琉球列島産の整理済み全標本を用いた。
- 堀田満氏の遺稿「南九州から南西諸島中・北部地域植物誌(鹿児島県植物誌)のための基礎資料(標本記録)」を伊藤元己氏のご厚意で提供いただき、そこに引用されたKAG(鹿児島大学総合研究博物館)収蔵の標本情報も用いた。
- サイエンスミュージアムネットで公開されている琉球産標本の情報を一部利用した。
- その他必要に応じて、文献中で所蔵情報を伴って引用された標本を二次的に引用して産地を補足した。
文献
- 初島住彦, 1975. 琉球植物誌 追加・訂正版. 沖縄生物教育研究会.
- 初島住彦, 天野鉄夫, 1994. 琉球植物目録 増補訂正. 沖縄生物学会.
- 島袋敬一, 1997. 琉球列島維管束植物集覧. 九州大学出版会.
- Walker, E.H. 1976. Flora of Okinawa and the southern Ryukyu Islands. Smithsonian Institution Press.