琉球の植物

琉球列島とは、九州と台湾の間に弧状に連なる約200の島々の総称です。そのうち大隈諸島とトカラ列島の一部を除く島々は、温帯と熱帯の中間的な気候帯である亜熱帯に属しています。

地球規模でみてみると、亜熱帯はユーラシア大陸・アフリカ・オセアニア・アメリカ大陸にまたがり、それらほとんどの地域は砂漠などが広い面積をしめる乾燥した亜熱帯です。それらと異なり、琉球列島では季節ごとの梅雨と台風が豊富な雨量をもたらし、世界的に珍しい湿潤な亜熱帯をつくっています。

この世界的にも貴重な気候帯にある琉球列島には多くの植物が分布し、日本で最も種の多様性が高い地域といわれています。その反面、残念なことに最も絶滅危惧植物の集中する地域の一つともなっています。

琉球列島の亜熱帯に生きる植物を知っていただくとともに、生物多様性の重要性を理解していただければ幸いです。