ふと見上げた夜空にスッと光の筋をひいて、一瞬のうちに消えてしまう流れ星。なにかすてきですね。明るい都会の中ではなかなか見ることができない流れ星ですが、空のまっ暗な田舎にいけば、1時間に数個くらいは見ることができます。流れ星は空の星が動いたものだ、と考えられたことも昔はあったようですが、もし星が流れ星になって消えてしまうとしたら、星はいずれなくなってしまうことでしょう。じつは、流れ星は地球の外から氷や岩の小さなかけらが飛び込んできて、地球の空気との摩擦で熱くなり、光ったものなのです。飛び込む速さは毎秒十から数十kmくらいで、重さは数mgから数十g程度です。流れ星が光る高さはだいたい地上100kmあたりで、もえつきて消えるのは地上70kmぐらいのところになります。
流れ星はふつう、空のいろいろなところに思い思いの方向で現われますが、一年のうちある時期には、たくさんの流れ星が空のある決まった部分を中心に放射状に出るのを見ることができます。これを流星群といい、主なもので20群ほどあります。最近話題になったしし座流星群は、毎年11月18日頃をピークに、しし座を中心に現われる流星群です。
流星群は、彗星がそのもとになっています。彗星が太陽に近づくと、彗星をつくっている岩や氷が蒸発して、長い尾ができます。つまり、太陽に近づくごとに、彗星はその軌道のまわりに彗星のかけらをばらまいているのです。その軌道に地球が行きあわせると、かけらが地球につぎつぎに衝突して流星群になるのです。しし座流星群のもとはテンペル-タットル彗星という彗星で、周期33年で太陽のまわりをまわっています。彗星のまわりはかけらの密度も高く、それで33年ごとに大出現が見られるのです。
流星
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しし座流星群
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流星群と彗星
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