太陽は自分で光を出して光っています。このような星を恒星といいますが、それに対して惑星は自分では光を出していません。太陽の光を反射して光っているのです。木星は惑星ですが、太陽とよく似た成分でできています。どうして木星は太陽(恒星)になれなかったのでしょう?
木星の温度は、アメリカの探査機パイオニアの観測によると絶対温度で125度でした。また一方、太陽から受けるエネルギーから予想される木星の温度を計算で求めると102度でした。この温度の違いはエネルギーに換算すると2.3倍になります。つまり、木星は太陽から受け取るよりも大きなエネルギーを自分から放出しているのです。それでは、このエネルギーの差はどこからくるのでしょう? 木星が原始太陽系星雲から収縮して生まれたときの重力エネルギーが熱として木星の中に閉じこめられており、それが現在徐々に放出されているというのが一つの説です。また、木星は現在も収縮を続けており、その重力エネルギーが熱源であるという説もあります。しかし、太陽のように中心で核融合反応がおこることは決してありません。そのような反応がおこすには、木星はまだまだ小さすぎて温度も密度も不足だからです。
それでは、あとどれほど木星が大きかったら太陽のような核融合反応がおこっていたのでしょうか? 星の誕生の理論計算によると、質量が太陽の8%以上ないと継続的に核融合反応はおこらない、つまり恒星にはなれないという結果がでています。木星の質量は太陽の約0.1%ですから、あと80倍重かったらもう一つの太陽が空に輝いていたかもしれません。
いろいろな恒星と木星
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