金星を望遠鏡でのぞいてみると、月のように欠けて見えることに気付きます。日をおいて観察を続けると、欠けかたが変わっていくようすもわかります。これはどうしてでしょうか?
金星のように地球よりも内側をまわっている惑星は、その位置によって、地球に夜側を見せたり昼側を見せたりします。望遠鏡でのぞいたときに、欠けて見えるところが金星の夜、光って見えるところが金星の昼の部分です。これは月の満ち欠けと同じ理屈です。下の図を見て下さい。金星が太陽をはさんで地球の反対側にきたとき(外合といいます)、地球からは金星の昼の部分しか見えないので、金星は満月のように見えます。また、金星が太陽からもっとも離れて見える最大離角のときは、昼側と夜側がちょうど半分ずつ見えますから、半月形に見えます。金星が地球と太陽のあいだにきたとき(内合といいます)は夜側だけになり、新月と同じく見ることはできなくなります。
地球と月の距離はそれほど変わりませんが、それと比べると地球と水星、金星のあいだの距離は大きく変化します。そのために、水星、金星では満ち欠けとともに見かけの大きさも大きく変化して見えます。内合に近いほど、つまり欠けているときほど地球に近くなり、大きく見えることになります。
水星・金星の満ち欠け
金星の満ち欠け
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