水星は半径が地球の2/5しかない、太陽にいちばん近いところをまわっている小粒の惑星です。太陽は地球から見る大きさの2.6倍に輝き、ふりそそぐエネルギーは地球の6.7倍に達します。水星の昼間の温度は赤道部分で最高430°Cに達します。これは鉛もとけてしまう温度です。逆に夜は-160°Cにまで冷え込んでしまいます。水星には、地球と異なり、温度をやわらげてくれる大気も海もないからです。さらに、水星の一日というのがまた少しかわっていて、このことも昼と夜の温度差を大きくする原因の一つになっています。
水星の公転周期(水星の1年)は約88日です。また、自転の周期については約59日ということがわかっています。このことから水星の1日(太陽が水星の空を一回りする時間)を計算してみると、水星の1日はなんと水星の2年、つまり176日あることがわかります。下の図のように、88日間は昼間で太陽が照りっぱなし、そして次の88日間は夜で太陽は全然姿を見せないのです。1日が1年よりも長いなんてふしぎな世界ですね。
アメリカの探査機マリナー10号はたくさんの水星の写真を撮影しました。その写真には月によく似た風景が写っていました。大量のクレーターは、昔たくさんの隕石が水星に降り注いだことを示しています。カロリス盆地とよばれる大クレーターの直径は約1300km(水星の半径の1/2)もあり、非常に大きな隕石が衝突したことがわかります。
水星の一日
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マリナ−10号による
水星のモザイク写真
提供:NASA/NSSDC
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