ほんとうです。もし、土星を浮かべられるほど大きなプールがあったとしたら、土星はプカプカと水に浮いてしまうことでしょう。なぜなら、土星の平均密度は水の0.7倍で、いわば水より軽いからです。
輪をのぞいた土星本体の大きさは、赤道半径が6万kmで惑星の中では木星に次ぐ大きさです。また、その質量も地球の95倍で木星に次いでいますが、大きさと質量の割合は木星よりずっと軽く、平均密度も木星では水の1.3倍なのに、それより小さくなっています。
こんなに平均密度が小さいのは、土星や木星をつくっているのが、ほとんど水素やヘリウムといった軽い元素だからです。土星の内部は、中心に半径1万5千kmほどの岩石と鉄と氷でできた核があり、質量の約20%をしめています。その上に、高い圧力で金属状になった水素の層が約1万kmの厚さでおおっており、またその上、残りの3万5千kmは分子状の水素にヘリウムがまざった層です。分子状の水素は深いところでは液体に、表面のごく近くでは気体になっています。
私たちがみている土星の表面は、この気体の大気の上層にあるメタンやアンモニアの雲で、木星と同様に縞模様がみられます。この上層大気の成分は、水素が96%、ヘリウムが3%、そのほかに少しメタンやアンモニアがあります。
こういう、大気や内部の構造は木星とそっくりですが、土星は質量が小さくて圧力も低いため、木星よりもゆるく固まっているといえます。
土星の内部構造
土星(左の3光点は衛星、本体の黒点は衛星の影)
提供:NASA
拡大表示
▲ページ先頭に戻る
Copyright (c) 1998-2008 National Museum of Nature and Science. All rights reserved.