地球のまわりを回る月のように、惑星のまわりを回っている天体が衛星です。では、おのおのの惑星について現在までに軌道が決まり、命名されている衛星の数を調べてみましょう。
水星と金星には衛星はありません。地球には月があって1個。火星には小さな衛星が2個。木星には、4個の大きなガリレオ衛星のほか、2015年3月に新しく番号登録された3個の小衛星をふくめて53個。土星も大きな衛星タイタンのほか、2009年5月に追加された1個の小衛星をふくめて53個が知られています。天王星の衛星も2005年12月に新しく6個が追加され、あわせて27個。海王星は8個の衛星に加えて2007年1月に5個が追加され、現在13個の衛星をもっています。
こうしてみると、いちばんたくさん衛星をもっている惑星は木星と土星ですが、実際はまだ番号登録されていないたくさんの小衛星がこの他にも発見されています。現在までに、木星に16個、土星に9個、海王星に1個発見されており、これらをあわせると、木星に69個、土星に62個、天王星に27個、海王星に14個の衛星があることになります。
これらの衛星は、大きさからいうと三つのグループに分けられます。半径千km以上の大型の衛星、半径数百kmの中型の衛星、そして半径百km以下の小型の衛星です。小型の衛星は重力が小さいので、形が球形ではなく不規則な形をしているのが特徴です。中型の衛星は密度が小さく、少量の岩石のほかは氷でできており、氷衛星ともよばれます。なお、最近発見されている新しい衛星は、みな小型のものです。
観測装置の発達により、これからも多くの小型の衛星が発見されると思われます。しかし、それでもいちばんたくさんの衛星をもつことになるのは、大型の惑星の木星か土星になるでしょう。
土星の衛星テチス(中型の衛星)
提供:NASA
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土星の小型衛星たち(未命名の7個の衛星)
提供:NASA/NSSDC
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データ:衛星表
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