燃えているものというと普通みなさんはどんなものを想像するでしょうか。ろうそく? ガスストーブ? これらの熱や光は、ろうやガスが空気中の酸素と結びつく化学反応によって生まれています。一方、「ウランを燃やしている」とよくいわれる原子力発電所の原子炉では、化学反応ではなくウラン原子がこわれて別の原子になる核分裂という原子核反応によってエネルギーが生まれています。原子核反応にはこの他に水素原子4個がくっついてヘリウム原子1つになるような核融合という反応もあります。核融合反応を利用した原子力発電はまだ実用化はされていません。非常に高温で高密度の状態にうまく長い時間制御してやらないといけないからです。ところが、この反応が自然におきているところがあります。太陽の中心部です。
太陽の重さ(質量)は地球の33万倍もあります。そのために中心部は2000億気圧という巨大な圧力になり、温度は1600万度、密度は水の160倍という高温高密度の状態になっています。太陽をつくっている水素原子は熱運動によって激しくぶつかりあい、核融合反応をおこします。この反応で発生するエネルギーは、kWで表すと4のあとに 0を23個ならべた数になります。このうち地球にとどくのは200兆kW、つまり100万kW級原子力発電所2億基分です。このすばらしい太陽からのめぐみによって私たち人間や地球の生き物たちは生かされているのです。
太陽の構造
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