日本の生物多様性ホットスポットの構造に関する研究(Biological Properties of Biodiversity Hotspots in Japan)

「多様性ホットスポット日本」の生き物たち

代表的な日本固有種、国内の多様性ホットスポットに生息する種、日本を分布の中心とする種など、「多様性ホットスポット日本」の重要な構成要素と考えられる生物を、プロジェクトに参加している様々な分類群が専門の研究者たちが紹介します。

ツブミゴケ

ハナゴケ科

Gymnoderma insulare Yoshim. et Sharp

菌界-子嚢菌門-チャシブゴケ菌綱-チャシブゴケ目

ツブミゴケ(ハナゴケ科)

世界の中でも日本および台湾からしか知られていない小型の葉状地衣類。スギやヒノキの巨木樹幹基部付近に着生する。日本では和歌山県高野山、愛媛県石鎚山、福岡県英彦山、鹿児島県屋久島、台湾では台中縣大雪山國家森林遊樂區内でそれぞれ報告されている。地衣体は扁平で縁は丸みがある。長さ0.5~1.5cm、幅2~8mm、基部の一点で基物に着生し、寄り集まって直径3~5cmほどのコロニーを作る。地衣体背面は灰緑色、腹面は白色で皮層を欠く。子実体は地衣体辺縁の先端につく。ヂヂム酸とアトラノリンを含む。環境省および国際自然保護連合ではそれぞれ絶滅危惧種に指定されている。本種の生育基物であるスギやヒノキの巨木は、過去の台風や森林伐採等によって破壊され、生育環境が急速に減少している。(植物研究部・大村 嘉人)

分布 和歌山県高野山、愛媛県石鎚山、福岡県英彦山、鹿児島県屋久島、台湾
絶滅危惧(環境省) 絶滅危惧I類(CR+EN) EN 絶滅危惧種. 絶滅危惧(IUCN) Endangered B2ab (i,ii,iii,v) ver. 3.1

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