日本の生物多様性ホットスポットの構造に関する研究(Biological Properties of Biodiversity Hotspots in Japan)

「多様性ホットスポット日本」の生き物たち

代表的な日本固有種、国内の多様性ホットスポットに生息する種、日本を分布の中心とする種など、「多様性ホットスポット日本」の重要な構成要素と考えられる生物を、プロジェクトに参加している様々な分類群が専門の研究者たちが紹介します。

ニホンクモヒトデ

ニホンクモヒトデ科

Ophioplocus japonicus Clark

動物界-棘皮動物門-クモヒトデ綱-クモヒトデ目

ニホンクモヒトデ(ニホンクモヒトデ科)

岩礁潮間帯で転石をひっくり返すとよく見つかる日本を代表するクモヒトデ。神奈川県の三崎がタイプ産地で、日本固有種と言われていたが、韓国や中国南部にも分布している。中央の盤の部分の直径は2cmほどで、そこから細長い5本の腕が伸びる。暗褐色の色彩で、腕には濃淡の横縞がある。クモヒトデ類は腕の反口側に1列に並ぶ背腕板をもつが、各背腕板が多数の小さな板に分かれているのが本属(ニホンクモヒトデ属)の特徴である。日本国内では、本種以外にも、本属の異なる2種が沖縄に分布することが知られている。本種は発生の過程が観察されている数少ないクモヒトデ類の一つで、雌雄異体で体外受精を行い、樽形のビテラリア幼生期を経て変態して成体となる。(動物研究部・藤田 敏彦)

分布 日本海ならびに銚子以南の太平洋岸、韓国、中国南部
絶滅危惧(環境省) 絶滅危惧(IUCN)

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