日本の生物多様性ホットスポットの構造に関する研究(Biological Properties of Biodiversity Hotspots in Japan)

「多様性ホットスポット日本」の生き物たち

代表的な日本固有種、国内の多様性ホットスポットに生息する種、日本を分布の中心とする種など、「多様性ホットスポット日本」の重要な構成要素と考えられる生物を、プロジェクトに参加している様々な分類群が専門の研究者たちが紹介します。

ヤエヤマヤシ

ヤシ科

Satakentia liukiuensis (Hatus.) H.E.Moore

植物界-維管束植物門-モクレン綱-ヤシ目

ヤエヤマヤシは高さが20mにも達する大型のヤシ科植物で、沖縄県の石垣島と西表島だけに分布している。このヤエヤマヤシの一種のみで一つの属を形成しているので、日本の固有属ということになる。高木だが幹がしなるので強風にも強く、沖縄県に頻繁にくる台風にもかなり耐えることができる。近縁属はオセアニアを中心に分布し、小笠原にも自生するノヤシ属といわれているが、はっきりしたことはまだわかっていない。現在、三つの群落が知られており、その全てが天然記念物に指定されている。石垣島の米原ではその群落の下を通る遊歩道が整備されていて、誰もがその群落を訪れることができる。石垣島に行くことがあったら是非、訪れてみてほしい。(植物研究部・國府方 吾郎)

分布 日本固有種(石垣島・西表島)
絶滅危惧(環境省) 絶滅危惧(IUCN)

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