泳ぐことで餌生物を食べるという方法は一見変わったエサのとりかたにみえるが魚の世界ではそれほど特殊ではない.大半の魚は稚魚の時に泳ぎながらプランクトンを食べている.ただし,大人になってもプランクトンを食べる魚は,鰓にちょっとした工夫がみられる.鰓には口から入った餌生物をこしとる鰓耙という部分があり,プランクトンをたべる魚はこの鰓耙が良く発達する.エサはこの鰓耙でこされ,口の中に残るという仕組になっている.マイワシとコノシロはとともに泳いでたべる魚の代表選手である.
写真:マイワシの鰓〜鰓の構造を示すためにほほの部分を除去してある.鰓には鰓弓,鰓弁および鰓耙という部分があるが,マイワシやコノシロはプランクトンを海水からこしとるのに便利なように,よく発達した鰓耙をもつ.撮影:篠原現人