海水のスープの中で暮らしている動物には,体の一部が海水中に漂う餌を集めるのに都合よい形に変化,あるいは発達しているものがある.鰓の変化したもの(イバラカンザシやケヤリムシ),足あるいは腕の変化したもの(フジツボ・カメノテの仲間,テズルモズルの仲間,ウデフリクモヒトデ),口の周りの触手が発達したもの(キンコ)などである.さらに,これらの「道具」を海中でほうきのように,あるいは投網のように動かしてさらに餌を効率よく集めるようになったものもいる.
写真:クロフジツボ Tetraclita japonica (撮影:楚山 勇)
岩礁地の潮間帯の上部にしっかりと付着して暮らしている.潮がひいている時は蓋板をとざして乾燥に耐えているが,潮が満ちてくると,この時とばかりにつる状の足(蔓足)を打ち振って餌を集める.