飛べ!100年の夢 日本の航空・宇宙100年記念 空と宇宙展 国立科学博物館
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江戸期〜1910年
1910年〜1920年代
1920年代〜1940年代
1950年代〜1960年代
1970年代〜現代
1960年代からの日本の宇宙開発
2.「欧米航空機の導入期・模倣・試作期」 1910年〜1920年代
1910年12月、代々木の練兵場から飛び立った、徳川好敏陸軍大尉、日野熊蔵陸軍大尉の大空への挑戦の記録をはじめ、国産飛行機製造の前段階の海外からの技術導入に関した資料を公開します。
1903年12月17日、ライト兄弟が初めての有人動力飛行を成功させました。欧米での飛行機についての熱狂と世界の航空軍事の流れをいち早く察知した日本は、以降の主流が気球ではなく飛行機になると考え、飛行機の研究開発への取り組みを始めました。後に航空とスキーの先駆者とも呼ばれた長岡外史陸軍中将を会長とした臨時軍用気球研究会を発足させ、気球のみならず飛行機についても国として研究を進めるなど、積極的な動きをみせることとなります。
臨時軍用気球研究会では、東京帝国大学工学部の卒業生など、飛行機開発に知識を持った人材を集め、積極的に海外に留学させるなど、外国の知識の貪欲な吸収を試みました。なかでも研究会委員であり、フランスとドイツに留学した徳川好敏、日野熊蔵の2名の陸軍大尉は、航空機の研究開発に深く関わるとともに、1910年の日本初飛行のパイロットを務めました。
徳川好敏はフランス製のアンリ・ファルマン複葉機に、日野熊蔵はドイツ製のハンス・グラーデ単葉機に搭乗し、それぞれ国内初の飛行に成功。日本人初飛行の報を聞いた国民は、その快挙に沸きました。 この章では、アンリ・ファルマン複葉機やハンス・グラーデ単葉機の彩色写真のほか、アンリ・ファルマン複葉機に搭載されていたグノームエンジンの図面や、代々木練兵場の地図、当時のグラフィック資料などを展示します。
 クローズアップ 「初飛行」
1910年12月の初飛行に関連する展示物を集めるコーナーを設置します。
[主な展示物]
○アンリ・ファルマン複葉機、ハンス・グラーデ単葉機手彩色写真(初公開)
○アンリ・ファルマン複葉機 プロペラ(実物)
◯ハンス・グラーデ単葉機 プロペラ(実物)
○グノーム式7気筒発動機図面(アンリ・ファルマン複葉機などに搭載、初公開)
○徳川好敏大尉のパイロットライセンスなど関連資料
アンリ・ファルマン複葉機 手彩色写真
アンリ・ファルマン複葉機 手彩色写真
ハンス・グラーデ単葉機 手彩色写真
ハンス・グラーデ単葉機 手彩色写真
アンリ・ファルマン複葉機プロペラ(左)ハンス・グラーデ単葉機プロペラ(右)
アンリ・ファルマン
複葉機プロペラ(左)
ハンス・グラーデ
単葉機プロペラ(右)

黎明期の「日本の翼」が今よみがえる!「国立科学博物館所蔵の手彩色写真」を初公開
国立科学博物館では、戦前、日本陸軍の展示が行われ、1910年より1935年ごろまでに撮影された航空機の手彩色の写真が約90枚出品されていました。このたび、航空宇宙100年を記念し、これらのロマンあふれる時代の秘蔵の写真を初公開することになりました。
今回紹介する手彩色写真は、カラー写真が無かった時代に白黒の陸軍機の写真に手で彩色していったものです。約90枚がまとまって保存されており、このように状態の良いカラーの資料は例がありません。当時の航空機の機体の様子をよく再現したものとして、歴史資料としての価値が大変高いものです。
[手彩色写真に収められた主な機種]
○アンリ・ファルマン複葉機
○ハンス・グラーデ単葉機
○会式1号機
○奈良原式1号機
○ブレリオ単葉機
○ルンプラー・タウベ単葉機 ほか