自転車にはライトをつけるための発電機がついています。発電機の中には磁石とコイルが入っていて、自転車をこぐと磁石がまわり、コイルに電気の流れが生まれてライトがつくのです。このような仕組みをダイナモといいますが、このように磁石と電気には深いつながりがあり、逆に電気を流して磁石をつくることもできます。ところで、地球の内部を地震波の伝わりかたなどで調べてみると、深さ2900kmより内側は中心核といって、鉄を主な成分とする金属でできていることがわかります。また、そのうちの深さ2900kmから5150kmまでの部分は外核といって、金属は溶けた液体になっていることもわかっています。地球は自転していますから、中心核も当然回転をしています。金属は電気の流れのもととなる電子をたくさん含んでいるので、磁石が生まれるのです。
実際には、地球の磁場の大きさを説明するには、外核の中での対流運動と磁場の相互作用など複雑なダイナモの理論が必要になります。しかし、この理論もまだ完成したわけではありません。例えば、海底の古い岩石を調べてみると、地球磁石のN極S極が過去に何度も逆転していることがわかりますが、このような現象の解明は大きな研究課題の1つとなっています。
地球の内部構造と磁場
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