国立科学博物館へ
光の速さに近づくと時間が遅れるって本当ですか?
宇宙旅行をすると年をとらないって本当ですか?
宇宙船から宇宙を見ると、どのように見えるのですか?
超光速ワープはできるのですか?
太陽系のような惑星をもっている星は他にあるのですか?
宇宙人は本当にいるのですか?


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宇宙旅行編
宇宙旅行をすると年をとらないって本当ですか?
 前の質問で、速く動いている物体では時間の進みかたが遅いとお答えしました。そう考えると、次のような笑い話も生まれてきます。つまり、地球上では背の高い人は、低い人より長生きする、というお話です。
 地球が自転していることは皆さん知っていますね。そうすると、少しでも背の高い人の頭は、背の低い人の頭より速く動いています。背の高い人の頭は地球が24時間で1回転するあいだに、より大きな円周を描くはずだからです。すると、背の高い人の頭の時間はよりゆっくり進み、長生きする、というのです。これだけだと背の高い人にとてもいいことですが、もちろん、この話には落ちがつきます。背の低い人は背の高い人を、だから頭の働きがゆっくりしているんだとからかえる、ということです。なんだか、まけおしみのようにも聞こえますね。
 もちろん、背の高い人と背の低い人のあいだで、時間の進み方がそんなにちがうはずはありません。地球の自転ぐらいのスピードでは、時間の遅れはほとんどないのです。すると、とても速いスピードのロケットにのって宇宙旅行をすると年をとらないでいられるのでしょうか。
 前に、光の速さの90%の速さのロケットを考えました。このロケットの中の人の1秒は、外側の人の0.44倍になっていましたね。そうすると、この地球上とロケットの中で同時に生まれた二人を考えると、地球上の人が45才のときに、ロケットの中の人は20才になっています。つまり、ロケットの中の人の方が年をとらないことになります。
 そうすると、このようなロケットで宇宙旅行にいき、地球に帰ってきたら、ロケットの中でたった時間より、地球上の方が長い時間がたっています。これをウラシマ効果とよんでいます。しかし、この場合ロケットが飛んでいると考えるかわりに、地球が動いていると考えるとどうでしょうか。ロケットから見ると地球が離れていきまた近づいたわけですから、地球上の人の方が若くなってもいいはずです。双子の一人ずつがロケットと地球にいたら、どちらが年をとってしまうのでしょう。この疑問を、双子のパラドックスとよんでいます。これを解決するのは、やはりアインシュタインが1915年に発表した一般相対性理論です。くわしい説明はとてもむずかしくなるのでやめておきますが、この場合もやはりロケットのほうが年をとらないことが証明できます。ロケットはいって帰るまでのあいだに、方向転換をして、加速度がかかることが、地球上との大きなちがいになっているのです。
宇宙の質問箱

双子のパラドックス
   

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