太陽系のように、惑星をもっている恒星が他にもあるのかどうか、という疑問を私たちはずっといだいてきました。他の恒星には太陽系のような惑星はない、という場合には、私たちの太陽系はたいへん特殊なものだ考えられるからです。恒星の1つとしての太陽はいたって平凡な星で、とりたてて特別なところはなく、その重さも明るさも星の中ではちょうど真ん中あたりです。そう考えると、太陽だけが惑星をもっていると考えるのはおかしいようです。
20世紀の前半には、私たちに非常に近い星の中に、光では見ることのできないおともの星、不可視伴星を持っている星が見つかってきました。不可視伴星は光を出さないので、その引力で少しふらつく主星の動きから、それがあることがわかります。しかし、それが本当に惑星であるかどうか確認するまでにはいたりませんでした。また、1980年代以後の赤外線観測で、こと座の一等星ベガやがか座のベータ星などのいくつかの星には、その回りに大きくひろがったちりの円盤があることがわかりました。太陽系の始まりは、こういうちりとガスの円盤であったと思われますので、こういうちりの円盤を持っている星では、このちりやガスから惑星が生まれてきてもよいのです。
そこで1980年代から、観測技術の進歩とあいまって太陽系外に惑星を発見しようという本格的な研究が世界各地の天文台で始まりました。そしてついに、1995年10月ペガスス座51番星のまわりを回る惑星が発見されました。ペガスス座51番星は,42光年の距離にある太陽に似た恒星で、発見された惑星は木星の半分ほどの質量で、親星に非常に近い0.05天文単位(1天文単位は太陽と地球の平均距離)の軌道を、周期約4.2日で公転していました。これは、前に記したように、惑星によってふらつく親星の微小な周期運動をくわしく調べてわかったのです。
その後現在までに、1000個以上の恒星に惑星が存在することが発見されています。このように、惑星をもっている星がどんどん発見されてくると、惑星をもっている星はけっして特別なものではないことがわかります。
がか座ベータ星のまわりのちりの円盤
提供:NASA/STScI
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いろいろな惑星軌道
ぺガスス座51番星
「最初の発見」
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木星
質量
距離
(天文単位)
軌道
周期
惑星 1
0.47
0.05
ほぼ円軌道
5日
アンドロメダ座ウプシロン星
「複数の惑星が存在、楕円軌道の惑星も」
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木星
質量
距離
(天文単位)
軌道
周期
惑星1
0.69
0.06
ほぼ円軌道
5日
惑星2
1.89
0.83
離心率0.27
242日
惑星3
3.75
2.53
離心率0.28
1284日
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