国立科学博物館

筑波研究施設

自然史標本棟

概要

自然史標本棟 イメージ

国立科学博物館の標本資料を収集・保管するための収蔵施設として、平成23年春に完成致しました。現在、自然史標本棟の標本室には、動物、植物、地学、人類の各研究部の標本資料を収蔵しています。
棟内は、活用しやすいフレキシブルな平面構造となっており、標本資料に配慮した空調、ガス消火設備、大型液浸標本室、荷物用エレベータのほか、1階には標本室の一部を来館者が見学できるスペースも設けています。
また、建物の構造には、地震時にも大切な標本資料を守る免震システムを採用しています。
収蔵している各研究部の標本資料の特徴は以下の通りです。

動物研究部

体長1mm以下のダニ類のプレパラート標本から数mにおよぶクジラの全身骨格まで、ほとんどすべての動物群の標本200万点以上を収蔵しており、調査・研究の進展や寄贈の受け入れによって、その数は毎年数万点のペースで増加しています。標本は、哺乳類や鳥類の剥製や骨格標本、昆虫類の乾燥標本、海産動物やクモ類などの液浸標本など、それぞれの仕様に合った収蔵環境の下で適切な保存方法に従って管理されています。

植物研究部

植物研究部が収蔵する標本のうち、種子植物の一部については自然史標本棟に保管されています。

地学研究部

地学研究部では、3つの研究グループが、地球の生い立ちや生命の進化史を理解するための資料を収集・研究しています。
収蔵標本の内訳は、鉱物科学研究グループが岩石標本約13万点、国産鉱物約4万5千点、外国産鉱物約1万5千点、鉱床・その他標本約千5百 点、生命進化史研究グループが、脊椎動物化石約1万点、植物化石約1万4千点、環境変動史研究グループが、無脊椎動物化石約3万点、微化石1万6千点、堆積物試料2万2千点、国際深海掘削関連試料2万3千点です。

人類研究部

人類標本室には、縄文時代から近世に至るまでの、日本各地の遺跡から出土した古人骨標本を収蔵しています。江戸時代の江戸の遺跡出土資料を中心に、およそ1万体分の古人骨を収蔵しており、国内外の研究者によって、さまざまな研究に利用されています。古人骨のほかに、ミイラや、寄贈された指掌紋印象やX線写真などのコレクションも収蔵しています。



自然史標本棟 見学スペース

自然史標本棟 見学スペース イメージ

自然史標本棟の1階にあり、クジラやゾウなどの大型動物の骨格標本を中心に、標本の収蔵状況をガラス越しに見ることができます。また、棟内の別のフロアおよび敷地内の収蔵施設、当館の研究活動についても、映像やパネルで紹介しています。 展示施設のみがイメージされやすい博物館ですが、この見学スペースをご覧いただき、博物館の行う標本資料の収集・保管や研究活動についても、広く知っていただければと考えています。

見学できる主な展示物

見学できる主な展示物 イメージ

  • 自然史標本棟1F「大型動物骨格・化石標本室」に収蔵しているクジラやゾウなど、大型動物の骨格標本を中心とした収蔵状況を、ガラス越しに見学することができます。
  • 国立科学博物館の標本資料や研究活動についての紹介映像・パネルを見ることができます。
  • (ご注意)
    標本への影響を極力避けるため、照明は暗めにしています。
    写真撮影は可能です。ただし、以下の3つの注意事項をお守りください。
  • ・ フラッシュ不可。
    ・ 商業利用目的の撮影は要相談。
    ・ 標本室内で職員が作業している場合の撮影はご遠慮願います。

見学スペースの場所

見学スペースの場所 イメージ

筑波実験植物園からご入場いただけます。
場所は山地草原(高地性・w9)の左横です。

詳しくは筑波実験植物園の「概要・園内マップ」をご覧ください。
なお、ご見学の際は「筑波実験植物園の入園料」をお支払いください。