6. Didymoは日本で問題を引き起こすか?
「日本での出現」で、書いたように地質学的な時間で見れば、日本はDidymoが生育していました。 その点では、過去にまったくDidymoがいなかった、南半球のニュージーランドとは、事情が違うような気がします。
そのため、日本を含む北半球では南半球のようなニッチの空白はなく、 ニュージーランドで起きているような大問題は日本ではおきないのではないかと私は考えています。 ただ、これは、あくまで予想であり、Didymoに対する対策は万全を期す必要があると思います。
また、ここ数年は、南半球ほどではないにしても、北半球の北米やヨーロッパでも、 本来生育していなかったやや汚れた水域や、冷水性でない水域まで分布が拡大しており、 問題視されています。その点では日本も例外ではなく、今後の監視を行う必要があります。
日本でのDidymoの情報は現在の所、限られています。そこで、多くの方にDidymoを知ってもらうために、このホームページを作成しました。 もし、日本の水域でDidymoらしきものを見られたときには、私(辻彰洋)までご連絡いただけますようお願いいたします。 その時に、確実に同定できるよう、Didymoと思われるものを採集しておいて頂けると助かります。
もし、将来的に分布の拡大や現存量の増加が見られた段階(非常事態の対策)では、拡大防止の対策が必要になります。 これについては、様々な議論が必要でしょう。