ジュゴンは同じカイギュウ類のマナティとともに草を食べる哺乳類である.「人魚」のモデルともいわれるが,浅い海底に茂るアマモなどの海草をはみながら口をモグモグさせている姿はむしろ牧場で草をはむウシをおもわせる.陸上から再度海に戻っていった海草を,やはり陸から海へ戻っていったジュゴンが餌としているのは,進化の偶然であろうか.くちびるやほほは大きく発達して海草を食べるときに重要な役割をはたす.植物のセルロースを消化するのは哺乳類にとっては大変なことなので,ジュゴンもよく発達した盲腸をもつ.