太陽系の天体の種別が決まった2006年から、太陽系の惑星は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8個です。この他にもまだ知られていない惑星はあるのでしょうか?
歴史的には、水星の内側にも未発見の惑星があるのではないか、と思われたこともあります。またSF的に、太陽をはさんで地球と反対側にある惑星が想像されたこともあります。しかしよくよく観測しても、これらの惑星は存在しないことがわかりました。1930年にやっと発見された冥王星は、最近海王星の軌道の外側に同種の天体が数多く発見され、準惑星とすることになりました(冥王星とそのなかまたち編III
「冥王星はなぜ惑星からはずされたのですか」
、IV
「太陽系外縁天体とはなんですか」
参照)。
そこで考えられるのは、太陽系のもっと外側にまだ未発見の惑星が存在するかどうかです。この惑星を第X惑星とかりに名づけましょう。もちろん、この惑星は、新しい惑星の種別に合ったものでなくてはなりません。2008年初め神戸大学の研究グループは、太陽系外縁天体の軌道を調べて、この第X惑星が存在する可能性があるとしています。それによると、この惑星の質量は地球の30%から70%、大きさは地球の80%から1.3倍程度の氷惑星で、その軌道は太陽に最も近づくとき80天文単位、最も離れるときが100から175天文単位、黄道面(地球や他の惑星の軌道面)に対する傾きは20°から40°です。
この第X惑星が存在するかどうかは、うまくいけば10年ぐらいで判明すると思われます。しかし、太陽系の外側では惑星形成は非常にゆっくりと進むので、まだ惑星とよべる天体は形成されていない可能性もあります。その場合は、太陽系の惑星の数は8個で、数は変わりません。
太陽系の惑星軌道
惑星の大きさくらべ
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