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宇宙は膨張しているそうですが本当ですか?
宇宙はビッグ・バンという大爆発で生まれたそうですが?
宇宙にはてはあるのですか?
宇宙の年令は何才なのですか?
宇宙の未来はどうなるのですか?
ブラックホールって何ですか?


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宇宙論編
宇宙にはてはあるのですか?
 宇宙にははてがあるのか、またもしはてがあるとしたら、その先はどうなっているのか、はみんなが知りたい疑問です。ではまず、はてとはどのようなものか考えてみましょう。
 たとえば、日本の北のはてはどこでしょう、と聞かれたとしたら、北海道の稚内ですと答えられるような、はてがあります。これはあるものがそこから先にはない、というはてのことです。それから、たとえば体積とか面積を考えているときのように、ある量がある決まった所までしかない、有限であるという意味のはてがあります。
 私たちからとても遠いところ、たとえば私たちからの距離が100億光年という場所をかんがえてみましょう。ところで、距離100億光年ということは、じつは私たちは100億年前のすがたを見ていることになります。つまり宇宙の過去のすがたが見えるのです。とすると、宇宙が生まれた時より前は見ることはできません。これは、はてと考えることができるでしょう。また、宇宙は膨張していますので、私たちからみて膨張の速さが光の速さより速くなるところがあります。こういう所からでた光はいつまでたっても、私たちにとどきません。これが宇宙のはて、ということになります。
 しかし、この宇宙のはては、地球から見える範囲の宇宙ということで、そこから先は宇宙がないというはてではありません。そうすると、初めのような意味では、宇宙にははてはありません。もし、私たちが観測できるぎりぎりの遠い所に一瞬の間にいけたとしても、そこから見える宇宙は、100億光年以上も広がった大きな宇宙で、それは私たちが見ている宇宙とほとんど変わりがないのです。つまり、宇宙のどこにいるとしても、宇宙がずっと広がっているのが見えます。
 しかし、二番目のような意味では、じつは宇宙には限りがある、と思われています。これはとてもおかしいように聞こえますが、次のように考えてみて下さい。私たちの宇宙は、風船の表面か地球の表面のようなものだというように。地球の表面のどこにいっても、まわりには地球の風景が広がっているでしょう。これが、初めの意味のはてがないということです。しかし、地球の表面は、ある決まった面積しかありませんね。つまり地球の面積は有限です。これと同じように考えると、宇宙の体積は有限だと考えられます。これが、二番目の意味でははてがある、ということです。地球や風船の表面はたてと横がある二次元の面で、私たちの宇宙はたて、横、高さのある三次元の空間なので、とても考えにくいことですが。
宇宙の質問箱

風船の表面のような宇宙

地球は宇宙の中心?
 地球からみると、どちらの方向を向いても同じように宇宙が広がっています。ある決まった方向だけ、宇宙が大きくなっていたり、逆に宇宙が小さくなっていたりはしていません。そしてまた、私たちからの距離に比例する速さで宇宙が膨張しているように見えます。そうすると、私たちの地球は宇宙の中心にある、のでしょうか?
 しかし、宇宙は風船の表面のようなものだと考えました。そしてこの風船はだんだんと膨らんでいると考えましょう。この風船の上に、いくつかの点を打っておきます。そうすると、どの点から見ても、どの方向にも同じように宇宙が広がっていますし、また風船が膨らむにつれて、点と点との間の距離は離れていくことが観察できます。さらに、点と点とが離れていく速さは、どの点を中心に考えてみても、その他の点との距離に比例した速さになっているはずです。そうすると、どの点を中心と考えてもよさそうですし、またどの点も中心とはいえないような気もします。
 この膨らんでいく風船の上の一つの点、これが私たちの地球です。地球から宇宙を観測すると、まるで、地球が宇宙の中心のように見えますが、これは宇宙のどこにいてもそう見えるのです。私たちの宇宙は有限だけれどもはてがないのと同じように、宇宙に中心はないのです。
   

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