陸上に生きる巨大な生物として、動物ではアフリカゾウ(体重3-7トン)、植物では北米のセコイア(樹高約100m)がよく知られているが、海には陸上の生物よりさらに巨大なモンスターたちがすんでいる。
その最大はヒゲ鯨類で、シロナガスクジラは体長30m、重さ150トンにもなる。サメ類にも、体長十数メートルに達するジンベイザメやウバザメがいるが、これらはプランクトンを食用としていておとなしい。一方、体長7m、重さ3.5トンになるホオジロザメは、しばしば人間を襲いマンイーターとして恐れられている。海藻の中では、亜寒帯沿岸域に海中林をなすマクロキスチスは30-40mに成長し、マコンブ類も十数mになるが、陸上の樹木に比べると海の植物はモンスターとは呼びにくい。
海水は空気に比べ、密度が高く比重がケタ違いに大きい。この性質により、海水中の物体には大きな浮力があたえられる。カナヅチ以外の人は、海にはいると浮かぶ。海の生物は、自分の体重を支える強固な体を必ずしも必要としない。このことが、巨大な動物が海に生存する大きな理由の一つでもある。