アンドロメダ座の大星雲、この魅力的な名前は、星の好きな人ならばだれもが聞いたことがあるでしょう。M31あるいはNGC224ともよばれるこの星雲は、秋の澄んだ星空の中に肉眼でも見つけることができます。ぼーっと見えることから星雲という名前が最初つけられましたが、現在では、その他の星雲とはまったく異なる「銀河」とよばれる天体であることがわかっています。
天文が好きだったイギリスの伯爵ロスは、1845年口径182cmの大反射望遠鏡を作り、メシエのカタログの天体などを観測していました。そして、アンドロメダ大星雲ほかいくつかのうずまき形をした星雲が、星の集まりであることに気がつきました。散光星雲や暗黒星雲、惑星状星雲はガスでできた星雲でしたが、アンドロメダ大星雲はそうではなかったのです。
ガスでできた星雲は、星と関係して見えることから、私たちの銀河系の中にあることがわかります。それではアンドロメダ大星雲のようなうずまき星雲は、私たちの銀河系の中にあるのでしょうか、それとも外にあるのでしょうか?
この問題は長い間なぞとなっていました。距離を測る方法が見つからなかったからです。ようやく解決されたのは、20世紀に入ってからでした。ある種の変光星は、その変光周期と絶対等級のあいだに関係があることがわかったのです。この発見は、天文学に大きな発展をもたらしました。この変光星さえ見つけられれば、あとはその変光周期を測りさえすれば距離がわかるのです。
現在求められているアンドロメダ大星雲までの距離は、230万光年です。私たちの銀河系の直径が10万光年ですから、それよりもはるかに大きいことがわかります。また、距離がわかれば、見かけの大きさから実際の大きさを求めることもできます。計算してみると、直径は約10万光年あることがわかります。アンドロメダ大星雲は、私たちの銀河系の外にあるというだけではなく、私たちの銀河系と同じ規模の大天体だったのです。このような天体を系外銀河、あるいは単に銀河とよびます。
アンドロメダ銀河
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