銀河の分布を調べてみると、一様にまんべんなく広がっているわけではなく、かたよりがあることがわかります。私たちの銀河系やアンドロメダ銀河のかたわらにはマゼラン雲やM32などの伴銀河(おともの銀河)があります。
数十個ほどの銀河が直径数百万光年ほどの中に集まっているのを銀河群とよびますが、銀河系とアンドロメダ銀河はその周辺の銀河をふくめて一つの集まりを形作っており、局部銀河群とよばれます。局部銀河群の半径は約300万光年。属する銀河の数は約90個です。
また、銀河団とよばれるさらに大きな銀河の集まりもあります。銀河団の大きさは千万光年ていどで、属する銀河の数は数十個以上数千個ほどまでです。私たちにもっとも近い銀河団は、おとめ座銀河団で距離約5900万光年、1200万光年ほどの広がりの中に、約2500個の銀河がふくまれています。また、かみのけ座銀河団は距離3億2千万光年、直径2000万光年の中に約1000個の銀河をふくんでいます。こういう銀河団はこれまで1万個以上が見つかっています。
このような銀河団や銀河群が連なって、1億光年をこえるような大きな集まりを作っているとき、これを超銀河団とよんでいます。私たちの銀河系は、局部超銀河団(おとめ座超銀河団ともよぶ)に属しています。局部超銀河団は、おとめ座銀河団を中心とした半径6千万光年ほどの薄い円盤状で、銀河系はその円盤の端の方に位置しています。また、ペルセウス−うお座超銀河団は距離3億光年、長さ3億光年の大きな集まりです。
1980年代以降、観測技術の進歩によってより遠くの銀河が観測できるようになると、さらに大きな構造がわかってきました。数億光年から今では数十億光年もの範囲におよぶ銀河の分布が調べられ、線や面を形作るように超銀河団どうしがつらなっていること。また、これらのあいだには銀河がほとんど見られない領域、超空洞(ボイド、といいます)が広がっていることもわかりました。
こういう分布を宇宙の大規模構造といいます。宇宙の歴史をくわしく知るためにも、この大規模構造の起源と進化をさぐる研究がひつようなのです。
かみのけ座銀河団
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局部超銀河団
中心は私たちの銀河系、円の半径は1.5億光年
宇宙の大規模構造
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