平成26年8月31日をもって、地球館北側部分は大規模リニューアルのため閉館いたします。今の展示を見ることができるのもあと少し。 閉鎖する展示室の展示物を写真でご紹介していきます。

地球館を始めとする科博の展示を一新するための構想を検討していたときに、地球館（開館当時は「新館」と呼ばれていた）1階には生物多様性を展示することが決まっていました。北側部分には海の生物多様性を展示し、南側部分では陸の生物多様性を示すという構想でした。しかし、「海洋生物の多様性」と一口に言っても何を展示するのか、そして、その展示を通じて何を来館者に示すのかというテーマ設定は簡単ではありませんでした。地球館の建物はそれまでの科博の展示室に比べると大きな空間を備えていましたが、それでも海の生物多様性を展示するためには十分な広さとは言えません。

そこで、世界の海洋の中から熱帯、温帯、亜寒帯、深海、そしてジャイアントケルプの海という場面を設定し、その中にいる代表的な生物を展示することにしました。また、生物が海で生きていたときの姿を再現し、生物同士の関係が分かるように工夫することにしました。そのために天井高の高さを活用してサンゴ礁のドロップオフを再現したり、カツオやサバ類などが海中を泳いでいる姿を再現したりしました。

また、小さなコーナーも活用しました。たとえば、潮間帯の潮の満ち引きによって、磯の風景がどのように変わり、そこにすむ生物が干潮と満潮でどのような違いを見せるかディスプレイを使って展示しました。「海洋生物の多様性」ホールには海の不思議が満ちあふれています。改めてじっくりと展示を楽しんで下さい。