2008年3月7日更新
脊柱と頭の高さを考慮して、港川人の身長を再推定してみた。畿内日本人を基準データとし、既知の身長
から頭高(バジオン・ブレグマ高)と下肢長の近似値(大腿骨最大長+脛骨最大長+距骨中央高)を引くと、
脊柱高の近似値が得られる。港川人骨の保存されている椎骨の椎体背側高合計と、それらに対応する畿内日
本人の椎体背側高合計との比率から、港川人の脊柱高の近似値が得られる。それらに、頭高と下肢長を加え
ると身長が推定できる。
結果は、大腿骨を藤井の式に当てはめた推定値と大差なく、1 号男性が153cm、2 号
女性と4 号女性の合体個体が140cm、3 号女性が145cmとなった。なお、港川人の頭胴長と身長との比率は畿
内日本人とほぼ等しい。
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北海道出土の縄文・続縄文時代人骨のDNA分析
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頭蓋・四肢骨計測値の地理的変異パターンにおける時代間差の分析