2008年3月7日更新
愛媛県の山間部、旧美川村に位置する上黒岩岩陰遺跡は、1961年の発見以来1970年まで5 次にわたる発掘 調査が実施され、全国的にも貴重な線刻礫や骨鏃による負傷寛骨などと共に、縄文早期に遡る多数の人骨が 出土したことで知られる遺跡である。人骨の概要についてはすでに小片保、森本岩太郎、小片丘彦らによっ て報告されているが、今回、当遺跡の本報告書を作成する運びとなり、改めて人骨を精査する機会を得た。 25体を数える人骨群の年齢構成や、負傷人骨の性判定、あるいは未成人骨の分析など、幾つか新たな知見も 得られたのでその結果を報告する。
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旧石器時代人骨の形態と年代の再検討
縄文時代早期人骨の形態学的調査とDNA分析
北海道出土の縄文・続縄文時代人骨のDNA分析
弥生時代の枠組み変化による日本人起源仮説への影響の検討
関東弥生時代人の年代・食性・形態の再検討
頭蓋・四肢骨計測値の地理的変異パターンにおける時代間差の分析