亀井 修 Osamu Kamei
氏名 亀井 修
所属 産業技術史資料情報センター
学位 博士(工学)
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研究分野

産業技術史,有機資源化学(資源・エネルギー・環境科学)

研究内容

石炭と天然ガスから液体燃料を合成する研究が原点。技術を人類が生存していくために必要な技や知識の総体と考え,人や自然の「これまで」と「これから」を考える技術史研究にわくわくしながら取り組んできている。日本の事象を中心にしているが,調査研究にあたっては国内外の自然史分野を含む専門家とも連携している。個別の事物に基づくとともに,人の活動が地質学的年代の後にも痕跡を残す程になった人新世(Anthropocene・アントロポシーン)や持続可能な開発目標(SDGs),産業や科学技術が社会とどのようにあるべきかを人々の双方向的な対話で扱うという科学技術コミュニケーション(Science Communication)等も視野に入れて,研究や成果の共有を目指している。

ひとこと

持続可能な開発目標 SDGs
「誰一人取り残さない−No one will be left behind」を理念として国連がかかげた人間,地球及び繁栄のための開発行動計画と宣言および目標のことです。後戻りするのではなく,前に進むことによって問題を解決する取組です。すべての人が豊かになるという「夢見る心」と,技術による「かなえる力」を手に入れた人類。いよいよ実装が期待されています。
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

アントロポシーン Anthropocene
アントロポシーン(人新世)は完新世(Holocene)に続く地質年代を表わす学術用語です。人類の地球環境に対する影響が、著しく増大した時代に発生する諸課題の把握と解決について、人類が取組んでいくための概念を現す用語として提案されました。科博も国際的連携のもと取り組んでいます。
国際シンポジウム報告書「生物圏(バイオスフィア)と技術圏(テクノスフィア)の中の人間史をめざして」2016年3月のPDF(19.2MB)
http://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/symposium/system/pdf/104.pdf

技術 Technology
技術は人類が生存していくための技や知識の総体です。科学は技術で得た知見の一部を体系化して論理展開を可能とする技術です。アントロポシーンは人類の課題を技術で解決した結果としてもたらされました。技術が引き起こした問題を解決できるのも技術だけです。技術は人々の支持がないと進めることができません。技術の課題は社会的意思決定の課題なのかも知れません。

イノベーション Innovation
イノベーションの訳は変革です。経営論的には、市場に浸透し世界を変えることとか、発明と市場の新結合などとされ、つまるところ爆発的に普及した技術や製品を表します。技術革新≠イノベーションです。

科学者・技術者・発明家 Scientists, Engineers and Inventors
それぞれの境目はグラデーションを持っていますが,大きくまるめると,科学者は自分の興味関心にしたがって役に立つかどうかより不思議の解明を求めて研究し,技術者は社会や人々の何らかの課題を解決するために研究開発を行い,発明家(発明者)は,生活を豊かにしたり便利にしたりする方法を研究し・投資家を見つけ・生産技術を開発し・事業化し・市場に普及させて・富と名声を得ます。