菌類、特に担子菌類(きのこの仲間)の分類・系統・生物地理学・多様性
氏名 | 保坂 健太郎 | |
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所属 | 植物研究部 菌類・藻類研究グループ | |
学位 | Ph.D (Botany & Plant Pathology) 2005年. Oregon State University, Department of Botany & Plant Pathology. | |
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研究分野
菌類、特に担子菌類(きのこの仲間)の分類・系統・生物地理学・多様性
研究内容
日本および世界各地から菌類を採集し、形態的・生態的特徴およびDNAの塩基配列情報をもとに進化系統、生物地理パターン、多様性などを明らかにする。特に南極を除く全大陸に分布するようなグループに興味を持っており、共同研究者の協力を得ながら、主に南北アメリカ・中国・オーストラリア・ニュージーランド・ヨーロッパからのサンプリングを充実させているところである。
現在のところ特に集中的にサンプリングを行っている分類群は:
1.スッポンタケ亜綱(ヒメツチグリ、ヒステランギウム、スッポンタケ、ラッパタケ、ホウキタケなどの仲間)
2.キツネタケ属
3.アンズタケ目
などであるが、その他にも普通種・広域分布種とされる種を幅広く対象に採集・解析しており、これらの広域分布するきのこが、どのように世界中に分布を拡大していったのかを歴史生物地理学的に解析することに興味をもっている。
また、大量の標本(子実体)に基づくデータと、土壌・木材基質などから抽出したDNAのメタゲノムデータを比較することにより、きのこの多様性の実態を明らかにすることに取り組んでいる。一連のプロジェクトによりきのこ標本の数はこれまでにないペースで増加しており、2011年以降、筑波実験植物園からは毎年1100〜1500点、その他日本各地、世界各地からの標本を合わせると、毎年計3000〜5000点の標本を得ている。
最終的には全ての大陸(南極を含む)でくまなくきのこ調査をおこない、標本数で植物を超えることと、そこから得られる種々のデータから日本で、そして世界できのこは何種いるのか、日本にしかいない固有種はどのくらい存在するのか、を明らかにすることが目標である。