カブトムシ、クワガタ、テントウムシなどなじみ深い虫を含む甲虫類は、種数の上で昆虫の40%以上を占める非常に大きいグループです。 世界に約40万種、日本からは約9,000種が記録されています。
当館所蔵の甲虫コレクションは現在約13万点におよびます。うち約60%が日本産で、残りは中国、台湾、ベトナム、ネパールなどのアジア各地を中心に、ロシア、ヨーロッパ、南米など世界中から広く集められたものです。分類学的研究の基礎となるタイプ標本の数も多く、正基準標本(ホロタイプ)だけで約1,800点に達します。この中には、1983年に沖縄で発見された日本最大の甲虫であるヤンバルテナガコガネや、高知県の大内洞から発見されましたが、洞窟が消滅したため、すでに絶滅したと考えられているカドタメクラチビゴミムシなど貴重なタイプ標本も少なくありません。 このコレクションは元動物研究部長 黒沢良彦博士(現在名誉館員)によってその基礎が築かれ、また野村 鎮氏、鹿野忠雄博士、河野廣道博士など外部の研究者から寄贈されたコレクションも充実しています。