イカ・タコ類は二枚貝や巻貝と同じ軟体動物門に属し、頭足綱としてまとめられます。すべて海に生息しており、淡水には分布しません。海洋の様々な環境に適応して、沿岸・浅海から沖合・深海、極海から熱帯海域まで多種多様な頭足類が生息しています。世界の海から750-780種ほどが報告されており、日本近海からは170種前後が知られています。数万種におよぶ貝類に比べると、ほんの小さなグループです。しかし、その中には無脊椎動物として最大のダイオウイカや漁業の対象となるスルメイカをはじめとする多くの水産重要種が含まれます。
登録・保管されている頭足類標本は、約3,500点、15,000個体からなります。タイプ標本は19種が保管され、総種数は240種を数えます。米国自然史博物館、英国自然史博物館には及びませんが、世界の主要な自然史系博物館のなかでも充実した頭足類標本といえます。 これら登録標本は、すべてコンピュータによりデータベース化され、検索・絞り込みが可能です。