動物研究部

甲殻類

 甲殻類は1ミリに達しない微小種から巨大なカニ類まで、淡水、海水のあらゆる水域環境を巧みに利用して繁栄しています。多様な生活方法と繁殖方法は生物学的研究対象として興味深く、また大型種の多くは水産学的に重要です。

 当館に保存されているエビ・ヤドカリ・カニ類(十脚 甲殻類)はロット数で15,000ほどです。アミ類とク−マ類はそれぞれ村野正昭東京水産大学名誉教授と蒲生重男横浜国立大学名誉教授のコレクションの一部が収められています。その他に膨大な数の未整理、未登録標本があり、全体として当館の甲殻類コレクションは種数、個体数ともに日本屈指です。

 当館のプロジェクトである「日本列島の自然史科学的総合研究」で採集した標本のほか、水産庁の各水産研究所、県の水産試験場、大学、環境調査会社などから送られた標本も多くあります。また、水産資源開発センタ−が世界各地で行った新漁場開発調査の際に得られた標本、東京大学海洋研究所の調査船「白鳳丸」、「淡青丸」により深海から採集された標本、文部省の科学研究費補助金による海外学術調査の際に東南アジアおよびミクロネシア沿岸で採集された標本などが充実しています。

 甲殻類のタイプ標本は約2,900個体で、そのうち正基準標本は285個体(種)です。

Meriola corallina
新種のカニ Meriola corallina
Takeda et Marumura, 1997


Meriola corallina
ヤイトサクラエビ Rhynchocinetes conspiciocellus Okuno et Takeda,1992