動物研究部

棘皮動物(キョクヒドウブツ)類

 現在、およそ4500点の標本が登録されています。当館の棘皮動物標本の中で最も充実しているのは入村コレクションを有するクモヒトデ類の標本です。入村コレクションは、日本のクモヒトデ類(棘皮動物)の分類研究の第一人者である入村精一博士から1992年に当館に寄贈された2605点からなります。日本産の種を中心に16科138属428種におよび、現在知られているクモヒトデ類のおよそ五分の一をカバーするものです。コレクションには博士自身が新種として記載したパラタイプ標本も含まれています。入村コレクションの内容は1995年に当館よりカタログが出版されています。所蔵しているタイプ標本としては、深海底の沈木に付着して生活しているヒュウガケイマンヒトデBelyaevostella hyugaensis Fujita, Stampanato & Jangoux, 1994、沖縄のサンゴ礁でスクーバダイビングで見つかる水深に生息する大型のクモヒトデでありながらつい最近まで発見されなかったトラフクモヒトデOphioplocus giganteus Irimura & Yoshino, 1999、腕が細くて短く一見クモヒトデには見えないワニカワハスノハクモヒトデAstrophiura wanikawa Fujita & Hendler, 2001のホロタイプ標本などを所蔵しています。

 現在、棘皮動物標本の充実を図るため、当館で実施している日本列島調査や深海動物相の調査、また東南アジアを中心とする海外調査などで得られた標本の同定、登録の作業を進めています。

オオメアワハダクモヒトデ
トラフクモヒトデ
Ophioplocus giganteus Irimura & Yoshino,1999
(ホロタイプ NSMT E-3748)

タコノマクラ
ワニカワハスノハクモヒトデ 
Astrophiura wanikawa Fujita & Hendler,2001
(ホロタイプ NSMT E-4232)