世界最古級の被子植物化石,日本で発見(協力:地学研究部 植村和彦,植物研究部 加藤雅啓)
国立科学博物館日本館3階『日本列島の生い立ち』フロアでは,古生代から新生代まで,後の日本列島となるアジア大陸の縁辺,及び周辺の海で暮らした生き物の化石を,各時代の「後の日本」の姿や当時の地球環境などと合わせて紹介しています。
トリメニアの展示は残念ながらありませんが,白亜紀の被子植物として熊本県から産出したプラタナスの葉の化石を展示しています。明治時代に採集された古い標本ですが,白亜紀後期の初め,被子植物が陸上の植物界で主役になり始めた頃の化石です。プラタナスの祖先型は当時の北半球でもっとも繁栄した植物のひとつです。
また,日本で最も古い陸上植物の化石であるデボン紀のレプトフロエウムから,中生代のシダ類,イチョウのなかまなどの裸子植物,更に新生代の多くの被子植物,と,各時代を代表する植物の化石を,当時の動物や地層の写真などと共にご紹介しています。
現在の日本の豊かな植生はどのように形づくられたのか,またその途上でどのような植物が消えていったのか。『日本列島の生い立ち』フロアで辿ってみてください。
写真:白亜紀のプラタナス化石展示状況
(研究推進課 西村美里)