2009-07-15

日食観測を楽しもう! (協力:理工学研究部 西城惠一)

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※この記事は以下のページで構成されています。ご覧ください。
7月22日 国内陸上で46年ぶりの皆既日食
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 7月22日,皆既日食・部分日食観察のため,全国で様々なイベントが予定されています。

 国立科学博物館のある東京都では,残念ながら小笠原諸島の一部を除いて皆既日食を見ることはできません。しかし東京都心でも,太陽の直径の約75%が月の影に入る比較的深い部分日食を見ることができます。
 食の始まりは午前9時55分33秒,食が最大になるのは午前11時12分58秒で,食の終わりは午後0時30分20秒です。日食の初めから終わりまで太陽が比較的高い位置にあるため,食の始まりから終わりまで連続して観察できる良い機会でもあります。

 国立科学博物館では,22日当日朝10時(受付開始は9時30分)から,地球館屋上で小型望遠鏡による太陽投影と,日食グラスでの部分日食観測会を開催します(日本館屋上の望遠鏡は使用しません)。日食の原理や日食の観測方法について学びます。周りに遮る建物のない屋上で日食を楽しんでみませんか?
 事前のご予約は必要ありません。当日朝,直接会場にお越しください。
 定員は300名,先着順です。大変な混雑が予想されますので,場合によっては観測いただけない事があります。観測はおひとり1回のみ,お並びの順番でのご案内となります。観測時間帯はお選びいただけません。
 日食グラスは順番に貸し出しますので,ご自分でご用意いただく必要はありません。尚,このイベントの時間中,観測会にご参加されない方は屋上への立ち入りができなくなりますのでご注意ください。



 東から南に掛けての空を広く見渡せる場所であれば,ご自宅などの身近な場所でも日食観測を楽しむことができます。

 日食グラスはプレート部分が両目を完全に覆うように手に持つ,または身につけて使います。日食グラスの遮光プレートを通してであれば,太陽の光に目を向けても大丈夫です。
 望遠鏡店,大手ハウジングセンター,家電量販店等のほか,科博ミュージアムショップでも取り扱っています。
 太陽を肉眼で直接見てはいけないことは勿論ですが,日食グラスを手作りする,グラスの代わりに色つきの下敷きやサングラス・すりガラス・フィルム・CDなどを使って覗くことも絶対にしないでください。
 子どもの頃すりガラスで見た,というおとなの方もいらっしゃるかも知れませんが,眩しさを和らげることはできても太陽の熱(赤外線)はそのまま目に入り,網膜が焼けて最悪の場合失明に到る危険があります。
 日食グラスを使っていても,目が疲れた,何となく熱いなど異常を感じたらすぐに観察を中止してください。

 見るだけでなく日食の様子を記録したい場合は,街路樹などの下に立って,地面に落ちる木漏れ日の形を見る方法があります。葉の間を通って来たそれぞれの光が,太陽の形になって地面に映るのが解ります。小さな穴を開けた紙を太陽と地面の間に置いても同じことができます。少しずつ時間を空けて,木漏れ日の形が変わって行く様子を写真に撮ると面白い記録ができるでしょう。

 屈折式の天体望遠鏡を持っている方は,太陽投影板を使えば木漏れ日より大きく鮮明な像を得ることができます。望遠鏡の接眼部分に取り付けたプレートに,太陽の像が映し出されます。プレート部分に紙を取り付けてスケッチしたり,写真を撮ることもできます。
 望遠鏡の口径や機種によって取り付けられる投影板の種類が違う為,詳しくは望遠鏡の取扱店などでお尋ねください。

 葉の間や穴の空いた紙を通して,または望遠鏡や双眼鏡で直接太陽を見てはいけません。望遠鏡や双眼鏡は光を集める分肉眼より一層危険です。日食グラスを掛けた上から双眼鏡,望遠鏡を覗くのも駄目です。
 良く判らない時は自分で判断せず,このページや国立天文台などで紹介されている安全な方法を使う,または事前に専門家に相談してください。

写真:日食グラスの一例


(研究推進課 西村美里)

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