2010-12-27
国立科学博物館の常設展示に見るノーベル賞関連展示---ノーベル賞2010!
日本人が受賞したノーベル賞に関連した展示〜ノーベル化学賞
写真は、国立科学博物館の常設展示、地球館地下3階の様子です。「宇宙・物質・法則」について展示されているフロアですが、実は、この常設展示の中には、これまでに日本人研究者が受賞したノーベル賞に関連する内容の展示もあります。これらの展示では、物理や化学の基本的な内容から、最近の研究までじっくり見学することが出来ます。
それでは、日本人研究者がこれまで受賞した、ノーベル賞に関連する展示について、改めて以下に紹介しましょう。
■ ノーベル化学賞 関連展示
○ 野依良治博士 2001年 ノーベル化学賞
「 キラル触媒による不斉合成反応の研究」に関した展示
・関連展示! 地球館地下3階 宇宙・物質・法則「物質を探る」のコーナー
化合物には、分子の形が右手と左手のように鏡に映した関係のものがある場合があります。ハッカの主成分であるメントールはL体とよばれるもので、同じ「メントール」でも鏡に映した形のものはD体とよばれ、ハッカには含まれていません。
この展示では、結晶を用いてL体とD体のにおいの違いを体験出来ます。L体は清涼感のある香りをもち、チューインガムなどの香料として広く使われています。一方、D体は異なります。うまみであるグルタミン酸もL体とD体ではL体だけがうまみを示します。BINAP触媒は、野依良治先生によって開発された触媒で、左右の分子の一方だけを合成することが出来ます。医薬品合成においても重要で、大変役立っています。
○ 白川英樹博士 2000年 ノーベル化学賞
「導電性高分子の発見と開発」に関した展示
・関連展示!地球館地下3階 宇宙・物質・法則「物質を探る」のコーナー
導電性高分子「ポリアセチレン」の実物と導電性高分子の応用品が展示されています。
これらの展示を是非じっくり見てみましょう。それぞれの発見の内容と、どのように私たちの生活に関わりがある重要な発見だということが見えてくると思います。