2013-09-20
太平洋の海底下に眠る巨大な盾状火山
1つの巨大火山?
図3)掘削により採取されたコア試料 これらコアの化学分析を行った。
2009年の航海で採取された溶岩は全て玄武岩ですが、玄武岩には様々な化学組成を持つ岩石が存在します。そこで採取した玄武岩の中から約220個を選んで化学分析を行いました(図3)。その結果、南端のタム山塊の玄武岩はどれもほぼ均一な組成でした。これに対し、北方の2山塊の玄武岩は多様な化学組成を持っていました。タム山塊は巨大ですが、1つの火山なのかもしれません。オリ山塊やシルショフ山塊はタム山塊よりも小さいのに複数の火山が繋がって出来ているのかもしれません。
一方、2011〜2012年の調査では、船から音波を出し、海底の地層から跳ね返ってきた波をつかって溶岩流の分布や厚さを調べる研究が行われました。調査は主にタム山塊で行われました。その結果、溶岩流と地下でマグマが固まった岩石(はんれい岩)を合わせた厚さは30kmにも達することが分かりました。また、溶岩流の分布を詳細に調べると、多くの溶岩流は山塊の中央部から流れ出たことが分かりました。さらに、中央部にはカルデラ地形(大きな火口)も発見されました。