2008-04-01
桜−身近な花をどれだけ知っていますか? (協力:植物研究部 秋山忍)
花は終われど
東京のソメイヨシノの花が終わりました。
今年の開花(※1)は3月22日,満開は3月27日。開花は平年より6日早く,満開は同じく9日早くなりました(※2)。開花から満開までは通常1週間程度とされますが,今年は開花以降高温が続き,5日間での満開となりました。3月下旬から4月の初めに掛けては,上野公園もお花見を楽しむ多くの方々で賑わいました。
日本人にとって最も身近な花のひとつと言って良い桜。しかし植物としてのサクラについて,ソメイヨシノについて,私たちはどれだけ知っているでしょうか?
今回のホットニュースでは,終わり行く花を惜しみながら,花だけにとどまらないサクラの魅力,恩恵についてご紹介します。
※1 気象庁が発表する桜の開花・満開はそれぞれ,標本木(基準として定められた木)で5〜6輪以上の花が開いた状態となった最初の日,標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日をいいます。観測の対象となっている花は東京ではソメイヨシノですが,北海道の一部地域ではではエゾヤマザクラやチシマザクラ,沖縄県・鹿児島県の一部ではヒカンザクラが使われています。
※2 11月の紅葉の回にもご紹介しましたが,桜の開花も紅葉と同じく,気象庁の生物気象観測の対象となっています。2004年までの50年間で,桜の開花は全国平均で4.2日早くなっており,地球温暖化の影響のひとつと考えられています。
写真:開花間もないソメイヨシノ(3月30日,都内にて撮影)