2008-05-20

速報:5月12日,中国四川省大地震 (協力:地学研究部 堤之恭)

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四川大地震
今回の地震の特徴(1)
今回の地震の特徴(2)
海外の地震報道を見聞きしたら:注意しておきたい「震度」の基準

四川大地震

 2008年5月12日14時28分(日本時間同日15時28分),中国四川省ガパ・チベット族羌族自治州汶川県(北緯31度02分11秒,東経103度36分7秒)を震源とする地震が発生しました。震源の深さは10キロ,マグニチュード(M(※1))は8.0(当初発表7.8)でした。この地震による犠牲者は5月16日現在2万人を超え,被災地では今も救助活動,被災者への支援が続けられています。
 
 「中国は地震の少ない国だと思っていた」,今回の地震に対してそんな驚きの声が多く聞かれます。しかし1976年に河北省で起き25万人近くの死者を出したとされる唐山地震をはじめ,中国内陸部でもM7クラスの地震が20〜30年に1度起きています。
 今回を含め中国内陸部での地震の主な発生原因のひとつとして考えられているのが,2枚の大陸プレート,ユーラシアプレートとインドプレートの衝突です。詳しくは次項でご説明しますが,今回の震源地を含め衝突帯の東側に位置する四川省から雲南省に掛けての一帯は「四川・雲南地震活動帯(南北地震帯)」と呼ばれ,巨大地震の発生地域として知られています。
 
 今回のホットニュースでは,四川大地震の発生のメカニズム,および地震の揺れの特徴を中心にご紹介します。
 なお被災地の状況や地震の科学的な分析は,現在も刻々と変化しています。ここでは5月16日(金)一杯までの発表・報道を取り扱いますが,最新の研究,被害状況などについては,関係研究機関あるいはマスコミ発表をご参照ください。

※1 地震が発するエネルギーを表すマグニチュードは,1935年,アメリカの地震学者,チャールズ・リヒターによって提唱されました。地震のエネルギーの対数をとったもので,マグニチュードが1増えるとエネルギーは約32倍(2増えると32の2乗で約1,000倍)になります。

表:四川省及び周辺地域で300年間に発生したM6.5以上の地震(平成20年度理科年表より抜粋)


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