2008-07-01
特定外来生物セアカゴケグモ (協力:動物研究部 小野展嗣)
セアカゴケグモ,多数発見
6月上旬,愛知県愛西市と岐阜県海津市にまたがる国営木曽三川公園の駐車場の排水用の側溝で,特定外来生物(詳細後述)セアカゴケグモが多数生息しているのが発見されました。最大で体長約15ミリの個体から1ミリ程度の個体まで約60匹が捕獲され,側溝全体では推計で600匹程度いるとしてバーナーで焼却,駆除されました。
公園を管理する国土交通省中部地方整備局の木曽川下流河川事務所では,生き残った個体がいる可能性を考慮して注意を呼び掛ける看板を設置しました。その一方で愛知県などの協力を得て公園内での生息状況調査を行い,最初に発見された駐車場以外でも河川敷等でクモを発見,駆除しました。
その後徹底した調査・駆除の結果,河川事務所の発表によると,6月19日の捕獲を最後にセアカゴケグモは確認されなくなり,7月現在新たな個体は見つかっていないとのことです。
セアカゴケグモが日本で最初に発見されたのは1995年の11月,大阪府高石市でのことでした。同年のうちに兵庫県神戸市など,関西地方の港湾都市で複数件の発見の報告があり,全国的な毒グモ騒ぎとなりました。
生息地域から輸入された国際貨物に紛れて侵入したものと思われ,これまでの発見場所は商工業港や空港が中心でした。
今回,発見場所が海岸線からおよそ14キロ離れた内陸だったため,新聞等でも取り上げられ,再び騒ぎとなったのでしょう。
写真:セアカゴケグモ(フリー百科事典『Wikipedia』)