2008-10-10

速報:ノーベル物理学賞受賞 「対称性の破れ」と「小林・益川理論」(協力:理工学研究部 田辺義一,洞口俊博)


2008年ノーベル物理学賞

 10月7日,スウェーデン王立科学アカデミーは2008年ノーベル物理学賞について,アメリカ,シカゴ大学エンリコ・フェルミ研究所の南部陽一郎名誉教授と,日本,高エネルギー加速器研究所(KEK)の小林誠名誉教授,京都大学の益川敏英名誉教授の3人に授与すると発表しました。

 南部氏は素粒子物理学における自発的対称性の破れを発見,小林氏・益川氏は対称性の破れを理論的に説明しつつ,当時3種類しか発見されていなかった素粒子「クォーク」が最低でもあと3種類,計6種類あることを予言し,その予言は近年完全に検証されました(詳細については次ページ以降で解説します)。

 日本人(※1)のノーベル物理学賞の受賞は,2002年,東京大学の小柴昌俊名誉教授(天体物理学とくに宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献)以来6年ぶり,ノーベル賞各賞の受賞者は合計15人になりました。

※1 南部陽一郎名誉教授は東京のお生まれですが,現在はアメリカに帰化されています。


より詳しく知りたい方のために
ノーベル賞100周年記念展(2001年開催)