2010-11-25

ノーベル賞2010から --- 科学への興味を広げてみよう!


ノーベル賞2010から --- 科学への興味を広げてみよう!

ノーベル賞授賞式が12月10日にスウェーデン(平和賞以外)とノルウェー(平和賞)で開催されます。今年度のノーベル化学賞が、2人の日本人に授与されます。北海道大学の鈴木章名誉教授と米国・パデュー大学の根岸英一特別教授のお二人です。米国・デラウェア大学のリチャード・ヘック名誉教授との共同受賞です。

“パラジウム触媒によるクロスカップリング反応の開発”が受賞の内容で、この化学的手法は化学者の可能性を大幅に広げて、その結果、高度な化学物質、例えば自然が創造したのと同じくらい複雑な、炭素をベースとした分子が合成できるようになったことが、受賞理由です。従来は難しかった有機化合物どうしを結びつけるということを、“クロスカップリング”と呼ばれる手法で、金属のパラジウムを触媒に使って結合させる方法を開発したことで、いろいろな新しい物質の合成を可能にしました。

こういったトピックスを軸に、展示を見ながら化学の分野について知識を深めてみるのも良いかもしれません。今回のホットニュースは、今年度のノーベル賞、特に当館の扱う分野に関連して、化学賞と物理学賞の内容を踏まえながら、それに関連した当館の常設展示を紹介したいと思います。