4.日本の「モノづくり」資料の収集と体系化 【第1期:平成18〜22年度】
平成19年度も前年度に引き続き、大学・博物館・学会等における科学技術史資料の現状把握につとめた。その中で、最近学会を中心に、産業遺産の認定制度が開始されたり、インターネットでの産業遺産が公開されたりといった取組が顕著になっていることがわかってきた。一方、個々の学会の中での議論だけでなく、他の学会がどのように考えているか、議論したいという要望もあり、第1回「日本のモノづくり資料の収集と体系化」研究会―学界・産業界における歴史資料調査研究の現状と展望―を開催した。各学会での産業遺産に対する考え方について、共通に議論する場ができたものと考える。 戦後の電力需要に応えた火力用タービン発電機の大型化に寄与した技術として、冷却方法,絶縁材開発等多くの技術が知られているが、その中でも大型ロータ軸材開発即ち大型鋼塊製造技術がキーであったことを定量的に示した。またその技術の発展についてまとめた。 科博所有の、1901年英国オーチス社より輸入、日本生命保険本店(大阪)で使用された我が国最古級のエレベーターの巻上機について、ロープコントロール方式等、調査した。 原子力発電関連では、導入初期の関係者の高齢化が進んでいるので、インタビュー(中曽根康弘元首相,高島洋一東工大名誉教授)を実施した。 特別展「大ロボット博」、科博ニュース展示「DNAの先へ」、「ものづくり展」を監修し、好評を得た。